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アングルポイズ

80年以上の歴史をもつ英国ブランド。エンジニアのジョージ・カワーダインによって発明され、現在ではスプリングを用いたタスクランプの元祖といわれています。その機能的で美しいデザインは長く愛され、ロイヤルメールの切手シリーズに英国を代表する10のデザインとしてミニやコンコルドと共に選ばれています。

アングルポイズ社の歴史は、1855年、ハーバート・テリー氏が3人の息子たちとスプリング製造の専門メーカー、Herbert Terry and Sons社を設立することにさかのぼります。1931年、自動車エンジニアのGeorge Carwardine(ジョージ・カワーダイン)がテリーブランドのスプリングを用いた重量バランスの技術的理論を考案。1933年には特許を取得し、初代アングルポイズランプが誕生しました。その後も時代と共に様々な進化をとげ、世界中のカルチャーに影響を与えてきました。2003年より英国を代表するプロダクトデザイナー、ケネス・グランジをデザインディレクターに迎え、今もなお、新たな開発に取り組み進化を続けています。

Our StoryScenes with light

  • 1930年代に発案された画期的な重量バランスのメカニズムを用いた
    タスクランプの元祖と称されるAnglepoise®。
    今もなお一般家庭や商業施設、
    公共施設向けの新世代モデルの開発を続け、進化を続けています。

  • 1855

    ITS ALL ABOUT THE SPRINGS

    1855年、ハーバート・テリーが息子3人と共にスプリング製造およびプレス加工を行なうHerbert Terry and Sons Ltd. 社を設立。1920年代には、スプリングクリップ、自動車のサスペンションパーツ、ペンホルダー、自転車のサドルなどスプリングを用いた様々な製品開発で順調にセールスを伸ばしました。

  • 1931

    INVENTED BY A CAR DESIGNER

    1931年、自動車エンジニアのジョージ・カーワーダインがテリーブランドのスプリングを用いた重量バランスの技術的理論を考案。1933年には特許を取得し、4本スプリング型のアングルポイズランプ第1号が誕生しました。

  • 1935

    REWORKED FOR A DOMESTIC MARKET

    市場において4本スプリングのタイプは工業用照明のイメージが強かったため、1935年、カワーダインはテリーのデザイナーと共に、よりシンプルでエレガントなスタイルをもつ3本スプリングタイプ、Original 1227を考案しました。Original 1227 は現在もANGLEPOISEを代表するモデルです。

  • 1939

    A PRODUCT SALVAGED FROM LOCH NESS

    第二次世界大戦中の1939-1944年の間、ANGLEPOISEは爆撃機用のナビゲーターランプの生産を担当。40年後、ネス湖の怪獣ネッシーの探索を行っていた米国人グループが第二次世界大戦で墜落した空軍爆撃機ウェリントンを発見。水から引き上げ新しい電源を装着したところアングルポイズ製のナビゲーターライトが点灯したという大ニュース!”R for Robert”と呼ばれるその機体は今もなおブルックランド博物館に展示されています。

  • 1979

    CAPTURING THE ZEITGEIST

    ANGLEPOISEは時代を超えて、様々なミュージシャンやアーティスト、デザイナー、作家に愛用され、インスピレーションを与えてきました。1979年には、パンク/ニューウェーブ界で最も影響力のあるバンドの“The Soft Boys" が " (I want to be an) Anglepoise lamp" をリリース。6年後の1985年には、革新的な彫刻家としてしられるデイビッド・マック がオックスフォード近代美術館で360体のアングルポイズランプを用い、流れるような巨大な手を表現した作品を展示しました。

  • 2003

    AMONG BRITAIN’S MOST DISTINGUISHED DESIGNERS

    Kenwoodのミキサーやコダックのポケットインスタマチックカメラ、ロンドンの黒タクシーのデザインで知られる英国を代表するプロダクトデザイナー、サー・ケネス・グランジがアングルポイズのデザインディレクターとして加わりました。彼は以前のインタビューで、自身もANGLEPOISEの愛用者であり、ANGLEPOISEを「バランスのちょっとした奇跡」 と称しました。クラシックなイメージを尊重しつつも彼独自の感性でアングルポイズの新シリーズをデザイン。2003年、彼の最初のモデルであるType 3 を発表。

  • 2005

    THE GREAT BIG FRIENDLY GIANT

    小説家ロアルド・ダールの博物館より特注依頼を受け、ジャイアント・アングルポイズを3台生産。1台は博物館内のロアルド・ダールの書斎に設置、2台目はオークションにかけられ、映画監督のティム・バートンが落札した。最後の1台はロンドンの100% Design Exhibition で展示され、 そこで大きな反響を得たジャイアントはその後定番商品に加わりました。

  • 2009

    AN ICONIC BRITISH BRAND

    75周年を迎えた2009年、ロイヤルメールの記念切手シリーズ 「英国を代表する10のデザイン」に、ミニ(自動車)やコンコルド、2階建てロンドンバス、ポリプロピレンチェア、ペリカンブックス、ミニスカート等と共に選ばれました。

  • 2013

    A BLUEPRINT FOR FUTURE GENERATIONS

    デザインミュージーアムで開催された、6つの日常生活におけるコンテンポラリーデザインのひとつとしてAnglepoise® が選出され、この「日常品に潜む非日常なストーリー」の展示は2015年までの2年間常設展示されました。その他、ロンドンのVictoria & Albert Science Museum では、Anglepoise® の初期のモデルが、ドイツの Vitra Design Museum の巡回展「Lightopia」 の中でも展示されました。

  • 2014

    ANGLEPOISE® + PAUL SMITH - EDITION ONE

    英国を代表するデザイナー Paul Smith とのコラボレーションプロジェクトが始まりました。サー・ケネス・グランジデザインの不朽の名作 Type75™。それは伝統的な英国デザインを現代的に表現することで、デザイナー Paul Smith氏にとって恰好のキャンバスでした。Type75™の流線的でモダンなフォルムは、彼の特徴的な色使いのパレットとなり、その遊び心のあるカラーリングにより、Anglepoise®の機能美はさらに際立つものになりました。

  • 2015

    ANGLEPOISE® CROSSES THE POND

    北米市場進出のため、ANGLEPOISE ニューヨークオフィスを設立。同時にUSサイトおよびウェブショップを開設しました。

  • 2016

    THE GIANT COLLECTION GROWS

    小説家ロアルド・ダールの100周年を記念し、Anglepoise® は、Giant Collection を拡張しました。新たに、アウトドアバージョンや、プレミアムバージョンの Giant Brass Collection や、人気モデル Type 75 の3倍サイズである Type 75 Giant を発表。Giant Collectionはすべて英国で手作業で組立てられています。

  • ANGLEPOISE® + MARGARET HOWELL

    長年に渡る良好な友好関係により、2012 年に発表された Yellow Ochre に続き、Type 75™ Margaret Howell カラーとして、新たに Saxon Blue と Seagrass の2色が加わりました。

  • PRIDE OF PLACE AT THE DESIGN MUSEUM

    Anglepoise® は、新たに移設されたLondon Design Museum の常設展示に選出され、世界的によく知られる一般消費者用アイテムとして、Appleコンピューターや、Olivetti のタイプライター、Vespa スクーター と共に展示されています。

  • 2017

    ANGLEPOISE® + PAUL SMITH - MINI AND GIANT

    ニューヨークで開催された NYC x DESIGN で、Anglepoise®とPaul Smith の新たなコラボレーションを発表。既に3パターンのPaul Smith カラーを発表しており、今回はMini と Giant というサイズの両極端で彼の世界観を表現しました。

story continues.

  • Designer

    George Carwardine

    ジョージ・カワーダイン

    自動車会社のエンジニアとして活躍した後、サスペンションシステム開発を専門とする会社を設立。様々なタイプの自動車サスペンションの開発を行いながらも、他の分野にも応用できるメカニズムを研究する中で、彼はタスクランプという分野に惹かれていきます。

    ワークショップにこもり、新しいランプの開発実験に没頭するカワーダインは、1932年の7月、ついに特許を取得。それはスプリングの特性を生かした全く新しいランプの仕組みで、人間の腕のように自在に曲げることができ、さらに思い通りのポジションをキープ出来るという画期的なものでした。
    アームの動きに安定感をもたせるために重い鋳物のベースを用い、シェードは眩しさを抑えつつも特定のポイントの照射を可能にするフォルムを採用。このフォーカス照射によりその当時のランプと比べ少ないワット数のランプでありながら同じ明るさの確保を可能にしました。

    当初、このランプは彼のサスペンションシステムの工場で働く職人達の手元の部品を照らすためのアイデアでしたが、すぐにオフィスや家庭で使うことにも適していることに気づきます。最終的なデザインを作り上げると彼の工場にスプリングを供給していたスプリングメーカーHerbert Terry & Sons にライセンス契約を持ちかけました。

その当時のHerbert Terry & Sonsは2代目のチャールズ・テリーが運営していましたが、自社の高い技術とノウハウを用いた新商品開発と事業拡大に感心があったチャールズは、すぐにカワーダインと契約を決めました。ランプの製造販売を始めるにあたり彼等はランプをEquipoise(均衡) という名前で登録申請しましたが、それはすでに使われていたため最終的に造語で ANGLEPOISE と名付けられました。

    1934年、Herbert Terry & Sons よりANGLEPOISEの最初のモデルである4本スプリングの「1208」と「1209」の生産が始まるとすぐに商業的成功を収めます。工場をはじめ、病院、オフィスへとあらゆる場所でセールスを伸ばし、さらに1935年、一般消費者向けとしてよりシンプルでスタイリッシュな3本スプリング・3本アームの「1227」を発表しました。

    1948年 61歳でカワーダインはその生涯を閉じますが、彼のデザインは現代もなお継承され多くの製品の技術的基礎となっています。

    Design: Original 1227 Series

  • Designer

    Sir Kenneth Grange

    サー・ケネス・グランジ

    1929年ロンドン生まれ。1944年から1947年までの3年間、芸術と工芸のウィレスデン校にてデザインの基礎を学びました。兵役の一環としてテクニカルイラストレーションの訓練を受けた後、ロンドンの Arcon Chartered Architects、 Bronek Katz & Vaughan George Bower やJack Howe &. Partners などの建築デザイン事務所でアシスタントとして経験を積みました。

    1958年、ロンドンに自身の事務所Kenneth Grange Design Ltd. を設立。
その14年後の1972年には、アラン・フレッチャー、コリン・フォーブス、マービン・カーランスキーと共にPentagramを設立。世界的デザイン事務所へと成長するPentagramは多分野に渡るデザイン集団であり、現在では20ものパートナー企業や支社から成り立っています。

    彼のデザインはドイツ的機能主義と英国らしいほどよい感性を兼ね備え、剛性感と同時に彫刻のように明瞭なフォルムをもっています。

    代表作であるケンウッドのフードミキサー "シェフ" シリーズ(1960年)、
コダックの"ポケットインスタマチックカメラ"(1975年)、
1979年にはパーカーの万年筆 "パーカー25" シリーズ(1979年)、
ウィルキンソン・ソードのカミソリのシリーズ、
名門オーディオメーカーB&WではDM6(1976年)、
シグネチャーダイアモンド(2005年)をデザイン。
また英国国鉄の高速列車Inter City125の外装デザイン(1971年-1973年)や、
ロンドンのAdshelのバス停(1990年)、ロンドンタクシーのモデルチェンジ(2000年)を手がけるなど
彼のプロダクトは常に人々の日常性と深い関わりを持つものが多くあります。
    デザイン協議会賞をはじめ1963年のエディンバラ公賞など、数多くのアワードを受賞し、1969年にはRoyal Designers for Industry(RDI)のメンバーに選ばれました。その10年後には英国デザインカウンシルのアドバイザーとなり、名実ともに英国プロダクトデザインの第一人者となりました。日本との関わり合いも深く、1970年以降、丸善のミシン、INAXの浴室、資生堂の化粧品パッケージなど、日本企業からの依頼も数多く手がけ、彼の作品は日本のプロダクトデザインにも大きな影響を与えました。

    彼がデザインプロセスのなかで最も重視したのはマニファクチャリングです。それはプロダクトデザインは単なる美的な改良手段ではなく、常に技術革新へのアプローチであるということを示しており、「真率で誠実」というブリティッシュデザインの伝統的な特質を繊細かつ洗練されたデザインを今も守り続けています。

    Design: Type Series